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北海道の後継者不在63.6% 会社を残す3つの選択肢
「後継者はお決まりですか」。金融機関や取引先から、そう聞かれて言葉に詰まったことはないでしょうか。決めなければいけないとは分かっていても、日々の資金繰りや人の手配が先に立ち、どうしても後回しになりがちです。
今回は、道内の実情を示す数字と、選べる3つの道、そして期限のある制度についてご説明します。
北海道は3社に2社が「後継者不在」です
帝国データバンクの調査によると、2025年の北海道の後継者不在率は63.6%でした。道内1万1,157社のうち、7,096社で後継者が「いない」または「未定」という状況です。
全国平均は50.1%ですので、北海道は13.5ポイント高く、承継の課題がより重く出ている地域といえます。
ただし、この数字には別の側面もあります。北海道の不在率は前年から2.1ポイント下がり、8年連続で改善しています。つまり、決まっていない会社が多数派である一方で、実際に動いて後継者を決めた会社が着実に増えているということです。
選べる道は、大きく3つあります
承継のご相談では「息子が継がないなら、もう畳むしかない」とおっしゃる方が少なくありません。けれども、実際の選択肢は3つあります。
| 選択肢 | 渡す相手 | 準備にかかる期間の目安 | 主な論点 |
|---|---|---|---|
| 親族内承継 | 子・親族 | 5〜10年 | 自社株の評価額と贈与・相続の税負担、個人保証の引継ぎ |
| 役員・従業員への承継 | 番頭格の役員・社員 | 3〜5年 | 株式の買取資金をどう用意するか、金融機関の理解 |
| 第三者への承継(M&A) | 他社・投資会社 | 1〜2年 | 相手探し、企業価値の評価、従業員の雇用の維持 |
どれが良いかは、会社の状態と経営者のお考えによって変わります。共通して言えるのは、いずれの道も決めてから完了するまでに年単位の時間がかかることです。とくに親族内承継は、税負担を抑えながら株式を移すために長い準備期間が必要になります。
使える制度には、期限があります
後継者に株式を渡すとき、贈与税・相続税の納税が猶予される「法人版事業承継税制(特例措置)」という制度があります。10年間限定の特例として設けられたもので、次の2つの期限が定められています。
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- 特例承継計画の提出期限:令和9年(2027年)9月30日まで
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- 対象となる贈与・相続:令和9年(2027年)12月31日まで
ここで注意点があります。インターネット上には「提出期限は2026年3月31日まで」とする解説記事がまだ多く残っていますが、期限は延長され、現在は令和9年9月30日が正しい期限です(中小企業庁ホームページ・2026年8月25日時点)。古い情報を見て「もう間に合わない」と諦めてしまわないよう、ご注意ください。
特例承継計画は、後継者の氏名、承継の予定時期、承継後5年間の事業計画などを記載し、北海道の場合は北海道経済部地域経済局中小企業課へ提出します。作成にあたっては、認定経営革新等支援機関による指導及び助言を受けたことを計画に記載する必要があります。
なお、適用には会社・後継者・先代経営者それぞれに要件があり、贈与か相続かでも内容が異なります。使うかどうかの判断は、自社株の評価額を試算したうえで、税理士等の専門家とご相談ください。
NMOの視点
ご相談をお受けしていて感じるのは、選択肢を狭めるのは「後継者がいないこと」よりも、むしろ数字の状態であることが多いという点です。
たとえば、利益が出ている会社ほど自社株の評価額が上がり、贈与税の負担が重くて渡せないという事態が起こります。借入金に経営者個人の保証が付いたままでは、後継者が引き受けをためらう場面もあります。決算書が実態を映していなければ、第三者承継の際に企業価値を正しく評価してもらえないこともあります。
ですから、3つのうちどれを選ぶにしても、入口は同じだと考えています。直近3期の決算書と、いまの資金繰りを自分の言葉で説明できる状態にしておくことです。月次の数字を整え、借入と個人保証を一覧にしておく。この準備は、承継の相手が誰であっても必ず生きますし、金融機関との対話にもそのまま使えます。
後継者を今日決める必要はありません。ただ、決めたときにすぐ動ける準備は、今日から始められます。
事業承継・M&A、財務のご相談は、株式会社西山マネジメントオフィスへ(経営革新等支援機関/M&A支援機関)。自社株評価の試算、特例承継計画の作成支援、第三者承継のご相談まで承っております。
※本記事は2026年8月25日時点の情報です。制度の要件・期限は変更される場合がありますので、実際のご検討にあたっては最新の情報をご確認ください。
出典:中小企業庁「法人版事業承継税制(特例措置)」/帝国データバンク「北海道・『後継者不在率』動向調査(2025年)」「全国『後継者不在率』動向調査(2025年)」