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【2027年3月まで】設備投資の即時償却 経営力向上計画の使い方
省力化の機械や、業務を効率化するソフトウェア。人手不足を背景に設備投資のご相談が増えていますが、税制の優遇まで一緒に見ている会社は多くありません。
中小企業経営強化税制は、対象設備を即時償却できる制度です。手続きの順番に決まりがあり、期限も迫っています。
認定を受けると、即時償却か税額控除を選べます
この制度は、中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」の認定を受けた事業者が対象です。認定されると税制・金融・法的支援を受けられます。
優遇は次のいずれかを選択適用します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 優遇の内容 | 即時償却 または 取得価額の10%の税額控除(資本金3,000万円超の法人は7%) |
| 対象 | 青色申告書を提出する中小企業者等(資本金1億円以下の法人、従業員1,000人以下の個人事業主など。大規模法人の出資割合などによる除外あり) |
| 指定期間 | 平成29年4月1日から令和9年(2027年)3月31日まで。この期間内に取得し、事業の用に供することが必要 |
| 対象設備と最低価額 | 機械装置160万円/工具・器具備品40万円/建物附属設備60万円/ソフトウェア70万円(1台1基または一の取得価額) |
| 税額控除の上限 | その事業年度の法人税額(個人事業主は所得税額)の20%(中小企業投資促進税制との合計)。超過分は翌事業年度に繰越可 |
設備は4つの類型に分かれています。A類型は一定期間内に販売されたモデル(最新モデルである必要はありません)で、生産性の指標が旧モデル比で年平均1%以上向上する設備。ほかにB・D・E類型があり、投資利益率や経営資源集約化など別の要件が定められています。機械の入替えなど一般的な設備投資で使われるのはA類型です。
いちばんの落とし穴は「順番」です
A類型を使うには、設備メーカーを通じて工業会等から証明書を取得します。中小企業庁の手引きでは設備を取得する前に発行を依頼する流れが示されており、証明書の日付は計画の申請日より前であることが求められます。
よくあるのが「もう発注したから使えない」という思い込みです。原則は認定を受けてから設備を取得する流れですが、設備を取得した日から60日以内に計画の申請が受理されれば、取得後でも認定を受けられる例外があります。諦める前に取得日をご確認ください。
時間もかかります。中小企業庁は、証明書の発行まで数日〜2か月程度かかるため事前の確認を案内しています。B・D・E類型では経済産業局の確認書が必要で、こちらも計画申請より前に取得します。
もうひとつ、計画の認定を受けただけで適用が決まるわけではありません。中小企業庁も、取得価額や事業の用に供することといった税務上の要件を満たさなければ適用を受けられないと注意を促しています。設備は2027年3月31日までに取得し、その日までに事業で使い始めている必要があります。証明書にかかる期間を逆算すると、年内には動き出しておきたいところです。
ソフトウェアも対象になります
対象は機械装置だけではありません。ソフトウェアも含まれます。A類型の場合、対象となるのは情報収集機能および分析・指示機能を有するものとされています(複写して販売するための原本、開発研究用のもの、サーバー用OSの一定のものなどは除かれます)。
対象となる事業も幅広く、製造業や建設業のほか、卸売業、小売業、飲食店業、情報通信業、宿泊業、医療・福祉業、サービス業などが指定事業に含まれます。ただし料亭・バー・キャバレーなどは、生活衛生同業組合の組合員が営むものに限られます。一方で、電気業、水道業、鉄道業、航空運輸業、銀行業、娯楽業(映画業を除く)等は対象になりません。
NMOの視点
設備投資のご相談で、私どもが最初にお聞きするのは「いつ買う予定ですか」です。時期によって打てる手が変わるためです。
即時償却と税額控除のどちらを選ぶかも悩ましいところです。即時償却は初年度に費用を大きく計上できますが、税負担が翌期以降に移るだけという見方もできます。一方の税額控除は納める税額そのものが減ります。目先の資金繰りか、数年の利益計画か。顧問税理士の先生と数字を並べて判断されることをおすすめします。
なお、経営力向上計画の策定は、認定経営革新等支援機関の支援を受けながら進められます。当社もその一つです。計画は税制だけでなく、政策金融機関の融資や信用保証といった金融支援にもつながります。設備投資を機に、資金調達の条件まで含めて整えられます。
経営力向上計画の策定支援、設備投資に伴う資金調達のご相談は、株式会社西山マネジメントオフィスへ(経営革新等支援機関/M&A支援機関)。投資の時期と手続きの順番を整理するところからお手伝いします。
※本記事は2026年10月15日時点の情報です。要件・期限は変更される場合がありますので、実際のご検討にあたっては最新の公表資料をご確認ください。個別の税務判断は税理士等の専門家にご相談ください。
出典:中小企業庁「中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き(令和8年度税制改正対応版)」/中小企業庁「工業会等による証明書について」/中小企業庁「経営力向上支援」